仕事を教えてもなかなか覚えてくれない・・・
どうも上手く伝わらない・・・
誰かに仕事を教える際、このようなお悩みを持つ方は多いと思います。
「教えることが苦手なのはお話が下手だから」という話も聞いたことがありますが、こればっかりではないと思います。
まず、あなたは何かのインストラクター等で教えるという行為がメインで仕事をしている訳ではないので上手く教えられないという悩みを持ってもまったくおかしいことではありません。
そもそもそのような悩みを抱えるということは「きちんと教えたい」と思っている証拠だと思います。
もっと言ってしまえばあなたは「人にモノを教える」というレクチャーを今まで受けたことありますか?
もちろん人にモノを教えることが得意という素養が元からある方であれば難なく教えることは出来るかもしれませんが、そうでなければ人にモノを教えるような勉強をしていない限り、そのような機会はあまりないと思います。
でもね・・・人にモノを教えることって別に特別なスキルもどこかで習う必要もないんじゃないかな~?って思ったんです。
私は通信でWordやExcelを教えていたことがあるのですが、そのインストラクター養成講座で勉強をしていた際、講師によって「どういう教え方が良い」というのがバラバラだったのです。
例えば「今日のレッスンはどんなことを教えるか?」という場合・・・
「まとめてではなくわかりやすく教えた方が良い」or「前菜のようなモノだからシンプルで良い」
他にも間違ったことを教えてしまい、指摘された場合・・・
「『私の勘違いでした』と誤魔化した方が良い」or「『後でもう一度確認してみます』等で誠実に対応した方が良い」
等・・・みんな言ってることがバラバラで一体誰を信じれば良いの~!!!。゜(゜´Д`゜)゜。って感じだったんです。
確かに教える側としては「わからない」は言いづらい。
けど誤魔化すのってどうなんだろうとも思う・・・
結果的に「自分だったらこういう教え方が良い」というのが人それぞれだからこそ、意見が分かれるのでは?ということに気付きました。
もちろん何らかのインストラクターであろうと仕事であろうと「習ったことを1つでも持ち帰っていただく」ということが一番重要ではありますが、やはり教え方、教わり方はそれぞれ相性、好みがあります。
なので教わる側が必ずしも自分の教え方で100%理解していただけるような方とは限りません。
覚えるタイプも「とりあえず手順だけ教えて!」というタイプと「『何故そうなるの?』が解決しないと覚えられない」というタイプがいらっしゃいます。
私の場合、前者のようにとりあえず手順だけ教えていただく方が理解しやすく、教える相手も「とりあえず手順だけ」というタイプの方が教えやすいです。
どんなパターンの方でも教えられる方がベストかも知れませんが、それが出来る方はそう多くはありません(特に仕事の場合・・・)
なので逆の立場を考え、「自分だったらこう教えていただきたい!」と思うような教え方で教えれば十分だと思います。
まずあなただったらどう教えていただきたいですか?
私だったらこんな感じです。
1.手順がわかりやすく書かれているマニュアルを作っていただきたい
→メモ取りながら話を聞く行為が出来ないんです
2.何か作業をしている時は説明はストップしていただきたい
→せかさないでください!
3.「だ~か~ら~・・・」とか「さっきも言ったでしょ!」、「ちゃんとメモ取って!」等は言わないでいただきたい
→一度に話されても一度で覚えられるキャパがありません!
4.何度同じことを聞いても決して怒らない
→これも一度に話されても一度で覚えられないんです
5.レクチャーの前に業務マニュアルを読む時間とローカルに使用するツールをコピーして作業を確認したい
→いきなり教わると緊張しちゃって頭に入らないんです(ノД`)
6.なるべく優しめに教えていただきたい
→後で質問する際、聞きやすい雰囲気であって欲しいのです
まず1ですが、定型業務の場合、メモを取らせるぐらいであれば手順が書かれているマニュアルを用意した方が効率的です。
もちろんマニュアルには書ききれないこともあるのでその部分はメモしておいての指示は必要ではありますが、1からメモを取られると待ち時間も発生し、思ったように進みません。
また、新しい職場、新しい仕事となると緊張してしまうこともあります。
聞き慣れない業界用語等もあり、何もわからない状態で1から話を聞いてメモしても後で振り返ってみると自分でも良くわからず作業が出来ないということも珍しくありません。
そんな状態で話を聞き、メモを取り、作業をする・・・何だか大変そうじゃないですか?
それだけでなく、話を聞きながらメモを取る行為が苦手な方もいらっしゃったり、書いたメモを紛失してしまう方もいらっしゃるので相手のメモをあてにするのは危険です。
ちなみにメモを取らない方にノートやメモ帳を渡す方がいらっしゃいますが、メモを取らない側としては「取れない」もしくは「取らない」のどちらかなので渡す必要はありません。
2はマニュアルがない場合は特に必須です。
「早く覚えていただきたい」、「忙しいから・・・」等、あると思いますが、相手が仕事を覚えていただかないと意味がありません。
相手のペースに合わせないと最終的には教えた側だけでなく、周りにも迷惑が掛かります。
早食いは消化に良くないと言いますが、それと同じようなイメージです。
相手のペースも考えず次々と料理を口に入れさせたら喉につかえちゃうじゃないですか?
いくら美味しい料理だからって相手のキャパも考えずに一度にたくさん食べさせたら胃腸の弱い方はお腹壊しちゃいますよ?
また、メモを取っている時や作業中は説明をストップしないとなると聞きにくい印象を持たれてしまいます。
もしマニュアルに書いてある内容をメモしているのであれば「それ、書いてあるからメモしなくて大丈夫だよ(*^_^*)」と指示してあげると良いです。
そして非定型業務(イレギュラー的な業務)の場合はメモ書きや図解で表し、どういうことを作業すれば良いか?を明確に伝えていただいた方が間違いはありません。
3、4は一度聞いて100%理解できる方なんていません。
また、考え方、解釈の仕方はそれぞれなので相手があなたが思っている考え方、解釈の仕方が同じとは限らないのです。
「同じ質問は3回まで」等のルールを作る方もたまにいらっしゃいますが、覚える早さには個人差があります。
特に最初のうちははじめてのことだらけで繋がり等もわからないのですから同じことを聞いてしまうのは当然の話です。
また、新しいことだらけで頭の中が整理出来ず、上手く質問出来ないが為に結果的に同じような質問になってしまったりするようなこともあるのでその点を上手く汲み取ることも必要と感じています。
教えていただけず、自分の判断で作業してミスされてしまうのと同じことを何度も聞かれ、確実に作業を行われるの、どちらが良いですか?
なかなか理解いただけない場合はわかりやすい言葉に変えて説明すると理解していただけることもあります。
皆さん、子供の頃、お魚食べる際、お父さんやお母さんに骨を取ってもらったってこと、ありませんか?
堅い食べ物も細かく砕いて食べさせてもらったこと、ありませんか?
そんなイメージで特に専門用語や難しい言葉は噛み砕いて説明することも大事です。
また、「attach(くっつける)」、「merge(結合する)」、「assign(割り当て)」等の外来語(外資系の職場ではよく使われるかもしれません)もそうですが、あまり日常で聞き慣れない言葉を当たり前のように使われたらそれらの言葉を知らない方は躓いてしまうことだってあります。
これは仕事に限らず日常生活にも言えることですが、なるべく共通語(誰でもわかるような言葉)に置き換えて説明した方が話しが理解しやすく、不明点が出たときも聞きやすいです。
5は定型業務の場合ですが、いきなりレクチャーに入るよりも予習の時間を作った方が業務のイメージがわきやすくなります。
マニュアルの出来具合、理解度によっては説明時間を短縮することも出来ます。
6は後に質問がある際、聞きにくい印象を持たれてしまうとその後もずっと尾を引く可能性があります。
特に新人の頃はすっごく簡単な質問であろうと、教わっていないことを質問することさえもビクビクするものです。
仕事は怒られながら覚えるモノという話も聞きますが、怒られながら仕事するなんてつまらなくないですか?
中には怒られながらでも仕事をしたいという方もいらっしゃるかも知れませんが、やはり多くの方は優しく教えていただく方がモチベーションも上がり、新しいことも吸収しやすいです。
「仕事なんだから厳しくて当然」と妥協する必要なんてないのです。
ちなみに私は相手の反応(この作業、難しい等)には共感したり、失敗談をお話ししたり、入社して間もない方にはタイミングを見計らいつつ、雑談を入れたりします。
こうすることにより、聞きやすい環境を作るようにしています(*^_^*)
とはいえ、いくら「自分がこう教えていただきたい」という教え方で・・・といっても合わない方から説明を受けてしまえば覚えられないのでは?となります。
しかし教わったことがまったく理解できなくても最終的には手順が細かく書かれている資料があれば何とかなります!
長年の経験からある程度の推測で業務が可能なこともありますが、それすらわからないとなったら自分でやり方を変えちゃったって良いんです!